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俊光と菜子のホントの関係

第22章 『真夜中のオーマイガー』


「いっ、つつつつつっ……!」


 俊光君が、自分の下半身を、一緒に落っこちた布団で隠しながら、痛そうに床から起き上がった。

 私がキックかましちゃった顔は……左頬が赤く腫れていて、口元に血が滲んでいる。

 いくら激痛だったからとはいえ、私……俊光君に、なんてことしちゃったんだろーっ! 美形でカッコいい顔も台無しだよぉーっ!


「あわっ……あわわわっ……。ととと、俊光君っ……ごご、ごごごご、ごめんなさ――」

「菜子っ、いいから早く服を着直せっ! 鬼が来るぞっ!」

「……へぇっ!? 鬼ぃっ!?」


 うわーんっ、どうしよー! 顔面ダブルキックと床にドシーンしたショックで、俊光君の頭がパッパラパーになっちゃったよぉー!

 とっても罪深く感じて泣きたかった。けど、俊光君が血相を変えて慌てふためいているから、とにかくその鬼とやらが来る前に、急いで乱れている服を着直したり、布団を戻したり、あの箱を隠したりと、二人でバタバタと動き回りまくった。

 そしたら俊光君の言うとおり――



「とぉーしぃーみぃーつぅーーっ……なぁーこぉーーっ……」

「ひっ……ひいいいいいっ!」



『お母さん』と言う名の鬼がやってきた。


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