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俊光と菜子のホントの関係

第22章 『真夜中のオーマイガー』


 きゃーっ、お母さんがホントに鬼みたいで怖ーいっ。

 この身にひしひしと感じる恐怖は、アソコの痛みがどうでもよくなっちゃうほど。私は思わず、俊光君の後ろに回って背中にしがみつく。私に盾にされた俊光君も、赤く腫れた頬っぺたを引きつらせている。

 お母さんの背後にはお父さんもいて、鬼化しているお母さんとは違い、私達を心から心配そうにして見つめている。さすがのお父さんも、私の尋常じゃない叫び声と俊光君のドシーンに、呑気にグースカ寝ていられなかったみたい。


「二人とも、一体何があったんだっ? それと俊光、その顔はどうしたっ?」

「いやっ、え、えーーっとな……」


 お父さんの問いかけに、俊光君が迷いに迷った末に放った言い訳は……


「ぷ…………プロレスごっこをしてて……それで、ヒートアップしちゃったんだよ……。ご、ごめんな、二人とも……は、ははは……」


 どーしよー! 俊光君の頭、ちゃんと考える機能まで失っちゃってるよぉーっ! 大学生のお兄ちゃんと女子高生の妹が、深夜に『プロレスごっこ』って! 私達、どんだけ暴れん坊なのぉ!?

 確かにさぁ、覆い被さったり、体を折り曲げたり、ダブルキックをかましたりだったから、プロレスごっこっつーのも、あながちウソではないかもだけどっ……。それにしてもだよぉー!

 結果、お母さんの火に油を注いじゃったってヤツで――


「……俊光、菜子。そこに正座なさい。お母さんがこれから何をするのか、言わなくてもわかるわよね?」

「は……はい……」


 見事、『正座でお説教の刑』が確定しちゃったという……。


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