俊光と菜子のホントの関係
第23章 そして翌日――
エグいモノマネは全否定させてもらうけど……
『可愛かっただろ』には、素直に頷ける。
初めて目の当たりにした、菜子の色のある恋人の顔は、とにかく可愛すぎた。セックスを失敗してから数時間が経った今でも、その顔が頭の中で色鮮やかに残っている。
わずか2・3センチほど入っただけで感じた、中の熱だって、俺の部分にまだ絡み付いているみたいで……
っ、やばっ。一気に萎えたハズのモノが、またっ……。
バカか俺はっ! 朝っぱらから思い出すんじゃねぇっ!
大講義室(こんなところ)で欲情しかかる愚かな自分に、思いっきしビンタした。
「ーーーーっ!」
涙が出るほどの痛烈な痛みが、顔の全域に広がっていき、堪らず机にうっぷした。
し、しまった。うっかり湿布を貼り付けている方を叩いてしまった。
「……俊光よ。お前、そんなんで今日一日を乗り切れるのか?」
「はぁーーーー……自信ねぇ」
たくっ。これだから男はっ……。
頼むから、菜子との余韻に、純粋な気持ちで浸らせてくれ。