俊光と菜子のホントの関係
第23章 そして翌日――
あーあ……。せっかくの俊光君とのオーマイガーだったのに。私の根性無し。大人の階段を百段飛ばししちゃうどころか、逆に百段転げ落ちちゃってさぁ。情けなくてやりきれなくて、「とほほ……」って落ち込んじゃうよ。
でも……オーマイガーをしていた時の俊光君。普段のお兄ちゃんの顔とは違う、男の人の顔って感じだったなぁ。
俊光君自身は、『余裕なくてカッコ悪かった』みたいなことを言っていたけれど、私からしたらそんなことは決してなくて。むしろカッコよくて、色気があって、んでもって……エッチかった、なんて。はぁー……なんだか惚れ直しちゃうよぉー……。
「……ちょい菜子。高校(こんなところ)で、だらしない顔してヨダレ流すのやめて。思い出している内容が駄々漏れてる。どう見てもそれ、アブナイヤツだから」
「いっ!? し、失礼しましたぁー……」
明里に冷ややかな態度で指摘された私は、慌てて顔を引き締め直してヨダレをすすった。
「やれやれ。エッチのことといい、明かしてくれた兄妹の事実といい……。俊光さん菜子兄妹には、昨日からずーっと驚かされてばっかりだわ」
イヤミっぽく言っては首を横に振る明里に、私は申し訳なさから、あの『0.01』の箱のサイズぐらい身が縮こまる思いに駆られた。
確かに。ちょっとでも押したらボキッと折れちゃいそうなぐらい細い明里を、私と俊光君のことで、昨日も、さっきも、
(でぇええええっ!! マッジでぇーーーーっ!?)
って全力で叫ばせちゃったもんねぇ。明里の声が若干しゃがれているのも、それが原因なのかも。