俊光と菜子のホントの関係
第23章 そして翌日――
明里は、しゅるると小さくなる私を見ては、アゴまでのフワフワボブを小さく揺らして笑う。ふふふっと漏らすその声も、若干しゃがれちゃっている。
「だけど、良かったじゃない。兄妹同士だからと諦めようとしていた恋が、奇跡的に実ったんだから。
やっぱり菜子は、俊光さんを好きでいる方が断然似合ってる。好きでもない男子と付き合うとか、合コンに参加するとか。どう見たって、菜子に全然似合ってなかったもの。
だからね、俊光さんと両想いになれたことには、ワタシもスゴく嬉しい」
私を想ってくれる明里に感激して、目の中が涙でうるっと溢れた。
そういえば明里は昨日、智樹さんにチョコを渡しに行くために、私を連れて合コンを途中で抜け出そうと考えていた……って言っていたけれど。
それ、今にして思うと……半分は、似合わないことをしようとしていた私を連れ出すためでもあったのかもしれない。
「俊光さんと内緒の恋をしていくのなら、ワタシも協力するから。これからも何か相談したいことがあったら、遠慮なく言うのよ」
「明里ぃ、ありがとー」
明里は、私にとって……かけがえのない親友だよ。
「それと……俊光さんに胸を揉まれるようになっても、ワタシにもちーゃんと揉まれるのよぉ。ほれほれー」
「ひゃーっ! やだぁ、やめてぇーっ!」
また私の胸を、真正面からガシガシワシワシ揉んでくるし! しかも、高校の廊下で! 通りかかるみんなの見せ物になっちゃってるんですけどーっ!
「もーうっ、どっちが『アブナイヤツ』よぉっ! 私の感激の涙を返してぇーっ!」