俊光と菜子のホントの関係
第4章 『私と俊光君』
「でもいいなぁー菜子は。こんなに大きくて……。
私なんて、全然ないのにー」
と話しながら、まだ胸から離れてくれない。もういいや。いつものことだし。
「胸なんてない方がいいよぉ。走る度に揺れるし、重くて肩が凝るし、ジャマでしょーがないもん。それに、おばあちゃんになったら垂れるって言うし……」
「はぁー贅沢な悩みー。私に対するイヤミー?」
「ってラップ調で言いながら余計に揉まないでってばぁー」
「いいじゃん。私も大きくなるようにあやかってるのー……
んん?」
「なっ……何?」
明里がなんか、確かめるように触ってくる。
「菜子……あんた、また胸が大きくなったんじゃないの?」
「えぇーっ、うそぉっ! ホントにっ!?」
「うん。なんか……そんな気がする」
明里ってばしょっちゅう触ってるから、私のサイズの変化まで見分けてるー!
てことは――
「ヤバい。ホントに大きくなったとしたら……」
それって、すっごい嫌な予感だよぉー……。