俊光と菜子のホントの関係
第4章 『私と俊光君』
――土曜日の夕方。
私はお母さんとキッチンで並んで、楽しくカレーを作ってるんだー……
と、言いたいところだけど、今は全然楽しめない。むしろ、悲しい……。
だって……だって……。
「はぁーーーー……」
私は落ち込みながらも、ピーラーで人参の皮剥きをしていた。
「菜子ったらぁ。どんよりしながら料理するのやめてよねー。カレーが不味くなりそうよ」
お母さんが玉ねぎをくし切りしながら、私に注意をしてくる。その玉ねぎが目にしみて、涙まで出てきちゃう。
「うぅ……だってお母さん、私『E』なんだもーん……」
実は今日、お母さんとランジェリーショップへ行って、バストのサイズを改めて計ってもらったの。
そしたら、明里が見分けたとおり、私の胸は大きくなっていて――
『Dカップ』から『Eカップ』になっちゃったんだよぉー。
私、胸が大きくなり始めた時から、ずっとコンプレックスに感じているんだよね。
だから更に大きくなっちゃったことに対して、こんなにも落ち込んじゃってるんだよー……うぅ……。