俊光と菜子のホントの関係
第28章 特別編『菜子の誕生日お祝いデート(後編)』
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案内された部屋に着き、ようやく二人きりになったところで、俺は数日前のことを思い返しながら、菜子にネタばらしをした。
その結果――
「もーうっ、俊光君のバカバカバカぁーっ!」
菜子のプンスカポカスカ攻撃が始まった。
けど相変わらず、全然痛くない。相変わらず、逆にくすぐったいだけだ。
「まぁまぁ、そんな怒るなって」
「怒るなって方が無理だってばぁ! どこかに置き去りにされちゃうんじゃないかと思って、移動中ずーっと不安だったんだからぁっ!」
お前を置き去りになんかするわけないだろ。どんだけ酷いんだよ、俺は。
「それに、お泊まりに行くなら行くで、最初からちゃんと言ってよぉっ! お着替えとかなーんも用意してないのにぃ!」
「最初から言っちゃったら、サプライズにならないだろう。そのために俺は、バッグをパツパツに太らしてまで、お前の分の着替えも持ってきたんだから」
「ふぇっ!?」
ここでやっと、『めえめえ』で指摘された怪しいトートバッグのことも打ち明けて、取り出した。
「ほらよ。この袋の中に、全部まとめて入ってるハズだ」
「えぇーっ!? やだぁ、ウソでしょー!?」
菜子は差し出された袋を、引ったくるようにして慌ただしく取ると、俺に背を向けて、中身をゴソゴソとチェックしだした。