俊光と菜子のホントの関係
第4章 『私と俊光君』
「あのね菜子。Eカップなんて、なりたくてもなかなかなれるもんじゃないのよ。もうちょっと誇らしく思ったらぁ?」
と、Aカップのブラジャーでもブカブカするぐらい、とっても小さな胸のお母さんが、私を慰めるように言った。
「誇らしくなんて思えないよぉー。重いのにー。
ねぇお母さん、知ってる? Eの片乳ってね、果物に例えると梨一個分とおんなじぐらいの重さなんだって。てことは、私は胸に梨を二つ付けてることになるの。わかる?」
得た知識を力説したら、お母さん急にぷっと吹き出した。
「あははっ、梨ぃ? 何それ、誰情報なの? 明里ちゃん?」
「違うよぉ。家族共用のタブレット使って、
『yahho(ヤッホー)!!』で検索して調べたのっ」
「やだ、菜子ったら。そんなの調べるなんて暇ねぇー」
「別に暇だからとかじゃないしっ。
あーあ、絶対明里のせいだー。私の胸をオモチャみたいに揉みまくるからぁ」
「それは良かったわねー。持て余してる梨二つ分のバストが、少しでも需要があって。
明里ちゃん以外、あんたの胸を揉んでくれる人なんていないんだから、むしろ感謝しなきゃ……ぷぷっ」
胸を揉んでくれる人がいないイコール、異性に相手にされない……ってことを言っているのが、私でもわかった。
うぅっ……それってホントのことだけど、バカにしすぎーっ。
「お母さんヒドーいっ。それでも母親ぁ?」
「えぇ、母親ですよー……って、ちょっと菜子っ! ピーラーやりすぎっ!」
「えっ? ……あぁーっ!」
皮通り越して、身まで削ぎ落としちゃった! 人参が半分しかなーい。