俊光と菜子のホントの関係
第4章 『私と俊光君』
「あ……あー、私っ……こ、このクッキー好きだなぁーっ!
いいよねー、こういう手作りって心がこもっててー!」
と、わざとテンション高めでハシャギながら、袋から更に数枚取り出して口に入れまくった。
「あ……なー、そうだろ? 俺もそう思った」
「うん、ホントおいしー。いくらでもいけちゃーう!」
ふひゅー、何とか誤魔化せた。アンド、俊光君が鈍くて良かったぁ。
ていうか、何を考えてんの? 私ってば!
ムカつく山田の言うことに、まんまと呑まれてんじゃん!
実のお兄ちゃんなんだからダメだよ! ダメダメダメッ!
俊光君に対して、そんな変な気持ちになっちゃダメだよっ!
ぜっっっったいに、ダメェーーーーッ!
「んぐっ……!? うぐぐっ……!」
「わっ、バカっ! 頬張りすぎだっ!」