俊光と菜子のホントの関係
第4章 『私と俊光君』
着いた! 『ヘアサロン・ボヌール』に到着!
明里んちの美容室はそんなに大きくないけど、ガラス張りでいつ見てもオシャレー。
あ、中に明里のお父さんとお母さんがいる。あとアシスタントさんっぽい人が二人。
そのうち明里も、ここで美容師さんするんだろうなぁ……あ、つい見入っちゃった。玄関玄関っと。
お店の裏側にある玄関でインターホンを押すと、中の方でピンポーンと鳴る。そのあとスピーカーから『はーい』と声がした。今は明里しかいないから、すぐわかる。
「やっほー明里。菜子でーす」
『……あ、菜子ね。今行くー』
ちょっと待っていると、ガチャッとドアが開いた。
「はーい、菜子ぉー…………、っ?」
「え、明里っ? ウソ、髪切ってるー!」
アゴまでのフワフワボブが、更に短くなってフワフワショートボブになってる!
「やだー! 明里かわいーっ!」
思わず抱きついちゃーう!
「わっ! えっと、あ、ありがとっ……」
「……あ。それに服装もなんかボーイッシュだね!」
少し離れてよく見ると――
いつも女の子らしい服装だったのに、白の長Tにデニムのパンツ。こんなシンプルなのも珍しー。
「でも、新しい明里って感じ!」
「そ、そう?」
「うん!
……ん? 明里……なんか、胸小さくなった?」
「わっ! 待って、そんな触んないでっ……」
「え? 小さくなったっていうか……ない!?」
ない……ないないっ! 真っ平らでペッタンコ!
これじゃあまるで『男の子』じゃん!
「あ、明里!? なんでこんなに胸がなくなっちゃったの?」
「そ、それはそのっ……」
「それにさっきから口数少ないし、リアクションが薄いよ? いつもなら会ったと同時に、私の胸触るじゃん」
「え……えぇー!?」
へ? 何で赤くなってんの?
「明里、何かおかしくない?」
「――ちょっと『ひかる』。いい加減その辺でやめてよねー」
「……へ? ひかる?」
えっ……ちょっと待って……。
何で奥からまた――『明里』が出てくるのぉ!?
その『あとから出てきた』明里は、いつものアゴまでのボブで、服装も女の子らしいトップスにミニスカート。
な、何でっ――
「あっ、明里が……二人いるのぉーー!?」