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愛が、はじまるとき

第1章 1

              9

 そのうち、唇にチュッとキスをしてくれた。なんどもなんども。
 その優しいキスが、すこしずつ、わたしを、エッチな気分にしてくる。
 キスが、チュから、唇を合わせたものになり、口の中に舌が入ってきた。
 そして、わたしのからだを、ゆっくりゆっくり、撫ではじめた。
 ときどき、キスもしてくれながら。
 そのあいだ、満は、わたしに、肌がきれいだ、瞳がきれいだ、髪がきれいだ、指がきれいだ、と言ってくれる。
 そして、その褒めてくれたところに、キスをしてくれる。
 わたしは、からだ中が熱くなり、もう入ってくれてもいいのにと思いはじめたとき、満は、わたしのあそこに、キスしようとした。
 それがわかったとき、わたしは、慌てて、
 「イヤッ」
 と言った。
 「嫌?」
 「だって、恥ずかしい」
 「里美さんに、
  気持ちよくなってもらいたいの。
  でも、
  嫌なら、しない」
 「わたし、
  初めてなの。
  恥ずかしいの」
 「じゃあ、
  あそこのキスが、
  どんなに、気持ちがいいか、
  知らないんだね」
 「はい」
 「可哀そうに。
  セックスの意味を、
  知らないんだね」
 「セックスの、
  意味?」
 「そう。
  セックスが、
  気持ちよくなるためのものだということ」
 「じゃあ、
  ほんとに、
  気持ちよくなるんだったら…
  その…
  あぁ、
  恥ずかしい。
  やっぱり、
  イヤ」
 「まだ、
  恥ずかしいの?」
 「はい、
  恥ずかしいです」
 「セックスを、
  楽しむということも、
  知らなかったんだね」
 「楽しむ、
  ですか?」
 「そう。
  楽しむんだ、
  という気持ちに、
  なってみて」
 「はい」
 「セックスは、
  楽しまなければ、
  だめなんです」
 「わたし、
  なんだか、
  してもらいたくなってきました」

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