テキストサイズ

愛が、はじまるとき

第1章 1

              11

 その、わたしの願いを聞いてくれたからか、満は、入ってくれた。
 わたしは、思わず「あーっ」と言った。
 でも、少しだけ入ったところで、止まってしまった。
 「どうして?」
 「なにが?」
 「ねぇ、
  もっと」
 それなのに、満は、また少し入ったかと思うと、そこで止まる。
 「ねぇ」
 「なにが?」
 「恥ずかしい、
  言わせないで」
 「言ってみて」
 「イヤ、
  イヤ」
 「言わないと、
  ここで、止めておくよ」
 「もう、
  いじわるしないで」
 「だから、
  言って」
 「もう、
  お願いです。
  ぜんぶ、ください」
 「もうちょっと、
  待ったほうが、
  気持ちよくなるよ」
 「イヤ、
  イヤ、
  はやく、ほしい」
 「ほしいと、
  言ってくれたね。
  恥ずかしかったね。
  ごめんね」
 と言って、やっと、ぜんぶ入ってくれた。
 わたしは、「嬉しい」と言って、満に、しがみついた。
 それからが、また長かった。
 満は、ゆっくりゆっくりと、少しずつしか動いてくれない。
 わたしは、自分では意識しないのに、腰が動いていた。
 そんな自分が恥ずかしい。
 わたしが、なんども、
 「ねぇ、
  ねぇ」
 と、言うのに、満は、それでも、ゆっくりゆっくりとしか、動いてくれない。
 だけど、ゆっくりなのに、だんだん気持ちよくなっていった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ