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愛が、はじまるとき

第1章 1

              7

 わたしは、満なら、優しいセックスをしてくれるだろうなと思い、それが、泊まりたいと言う動機になったのだけど、それを認めるのは、自分で自分が恥ずかしい。
 食事もすみ、コーヒーを飲んでいると、
 「里美さん」
  一緒に、
  お風呂は、
  駄目かな?」
 「ちょっと…
  恥ずかしいです」
 「無理なら、
  しかたないね」
 「もう一度、
  誘って、
  ください」
 「えっ」
 「だって、
  すぐ、いいですと言ったら…」
 「ごめん」
 「あのね…
  わたしね…
  精一杯の勇気をだして、
  いま、ここにいるんです」
 「うん」
 「だから…」
 「いいよ。
  里美さん、
  その先は言わなくて。
  恥ずかしがりの里美さんが、
  よく、
  泊まりたいと、言ってくれたと思ってます」
 「ほんとに、
  がんばって…
  勇気をだして…」
 わたしは、満に、抱きついた。
 満は、わたしの背中を、優しくポンポンとたたきながら、
 「うん。
  嬉しいよ」
 と言った。

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