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愛が、いっしょに

第1章 1

         2

 「勉強するのは、
  好きだったんじゃないんですか?」
「そういえば、そうですね」
 「男性を、好きにならないようにと、
  心に、ブレーキをかけているんじゃないんですか?」
 「ブレーキですか?」
 「そう、思いませんか?」
 徹の言うことが、当たっているのかもしれない。
 面倒くさいとか、恋人がいなくてもいいとか、理由をつけていたが、その根っこにあるのが、心のブレーキだったのかもしれない。
 「そんな、ブレーキなんか、
  外しませんか」
 「外したほうが、
  いいんでしょうか?」
 「それは、
  あなたが、決めることです」
 「決めたら、
  外すのを、手伝ってくれますよね」
 「ええ、もちろん」
 「そのときは、
  ご連絡します」
 帰宅して、研修会の資料整理をしたら、もう夜中だった。
 明日は、二学期からの準備のため、出勤しなければならない。
 そして、二学期になり、いままでどおり、勤務した。
 だが、ブレーキを外したらという、徹の言葉が、いつも頭の中にあった。
 外したほうがいいのか、いままでのままでいいのか、自問自答もなんどもくりかえした。
 外せば、男性を、好きになれるのか。
 その疑問も、くりかえした。
 徹が、あんなに、自信をもって言っていたのだから、そうなのかもしれないと、だんだん思うようになった。
 でも、どんなふうに、彼は、心の中のブレーキを、外してくれるのだろう。
 外すか外さないかではなく、徹が、どのようにしてと思いはじめた。
 わたしは、外したくなっているのか…

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