月が綺麗な夜は。
第1章 歪んだ二人
「…っく、んんッ、はっ、ッ」
しまった。
見られた、どうすれば自然に言い訳ができる
だろうか。
焦るが与えられる快感で、どうも頭が回らない。
「……ッ…何じゃ…泣くほど良いがか」
ああ、こいつが馬鹿でよかった。
「…馬鹿野郎…調子に乗んなっ…あっ」
今までより速い速度で腰を打ち付ける。
あまりの身体の甘い痺れに
力が入らず、辰馬の上に倒れ込むと
坂本は挿入したまま身体を反転させ
俺に覆いかぶさった。
「…アッ、はァ…俺はッ、もうッ」
辰馬の頭を掻き乱す様に鷲掴む。
「…早うイけ、わしもそろそろ終わるきに」
「…あ、た、たつっ、まあっ、あ、アァっああっッ」
「…っくぅッ」
耳元で囁かれ、
今までで一番深く、
感度の高い所を抉るように突かれると、
ビリビリと背筋を伝い
甘い電流が頭の先から脚先まで流れて、
絶頂をむかえた。
辰馬も同時に果て、俺の中にドクドクと
白濁が注がれる。
「…あぁ…んッ」
全部出し切ると、すぐに自身を抜き、
俺に背を向け服を身に纏い出す。
余韻でまだ力の入らない俺は横目で
辰馬を見た。
肩を抑え俺に振り返る。
「……結果は変わらんと言うのに
またこんなもんを……」