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月が綺麗な夜は。

第1章 歪んだ二人

-高杉side-


いつもの宿。
まだ来ていない奴を待つ。

煙管をふかして目を閉じた。




「待たせたかのう……」



暫く待つと、
やっと障子が開き、長身の男が入って来た。



坂本辰馬。



愛する銀時という存在が有りながら
今から俺を抱こうとするイカれた糞野郎だ。

そのイカれ野郎が俺の想い人ってんだから、
自分でも笑ってしまう。


「よぉ、久しぶりだなァ」

「…今日も来ると思うたら案の定じゃ
懲りん奴じゃな」


こいつはこの関係を持つようになってから、
以前の様な笑顔を俺には向けなくなった。


「フッ……お前ェさんもなァ」

「…おんしに、銀時は渡さん言うたはずぜよ」

「ああ、聞いた、何度もな」


あの日から何度も……
あれは何年前だっただろうか。











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