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愛はあふれる

第1章 愛はあふれる

         3

 「それはそうと、
  手伝いか。
  えらいね」
 「コンビニは、
  家族でやらないと、
  大変なんだ」
 「そうだろうね。
  よかったら、気晴らしに、
  遊びにおいで」
 「いいの」
 「もちろん」
 「じゃあ、
  いくね」
 「ほんとにおいでね。
  ケーキくらいは、
  ご馳走するよ」
 そう言って、帰っていった。
 優さんは、買い物をしないで帰ったけど、よかったのかなと思った。
 あとで聞いたら、美人が遊びにきてくれるというから、嬉しくなって、買い物を忘れていたよと言った。
 あたしは、そのときも、赤くなってもじもじしただけだった。
 あたしは、まえから、優さんが好きだった。
 好きというより、憧れていた。
 優さんの塾に行かなかったのも、行くのが恥ずかしかったからだ。
 優さんが、うちの店に来てくれているのも知っていたけど、声をかけられずにいた。
 それが、こんな形で、遊びに行けるようになって嬉しい。
 だって、優さんから誘ってくれたんだもん。
 それからは、なにかあるとすぐに優さんのところに行った。
 なにもなくても、行った。
 すぐに、優さんと言うようになった。

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