秘密のティナ
第2章 ティナ
慣れないお店での仕事も、時おり話しかけてくれるティナの存在が助けてくれた。少しずつ瑠衣は今までの事をポツリポツリと話すようになっていた。その度にティナは優しく「もう大丈夫よ…」そんなふうに微笑んでくれた。
ある夜、瑠衣が苦手だな、と思っていたお客様からの指名が入った。声が大きくて傲慢な態度。瑠衣は飲めないお酒を飲まされていた。いつもは思いださないよう、思い出さないようにと、押さえつけていた夫の姿が重なってきた。堪えきれず席を立ち、化粧室の中で崩れ落ちた。
「嫌だ!嫌だ!思い出したくない!」
泣き崩れる瑠衣の肩を後ろから優しく包み込むティナがいた。
「泣いてもいいよ…」
瑠衣は振り向きティナの腕にしがみついて声を殺して泣いた。
家を出てから押さえていた感情があふれでるようだった。ティナになら見せれる。本当の自分を受け止めてくれる…。
ひとりきりで止まっていた時間が今、動き出した、そう感じた。
ある夜、瑠衣が苦手だな、と思っていたお客様からの指名が入った。声が大きくて傲慢な態度。瑠衣は飲めないお酒を飲まされていた。いつもは思いださないよう、思い出さないようにと、押さえつけていた夫の姿が重なってきた。堪えきれず席を立ち、化粧室の中で崩れ落ちた。
「嫌だ!嫌だ!思い出したくない!」
泣き崩れる瑠衣の肩を後ろから優しく包み込むティナがいた。
「泣いてもいいよ…」
瑠衣は振り向きティナの腕にしがみついて声を殺して泣いた。
家を出てから押さえていた感情があふれでるようだった。ティナになら見せれる。本当の自分を受け止めてくれる…。
ひとりきりで止まっていた時間が今、動き出した、そう感じた。