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秘密のティナ

第2章 ティナ

その夜、ティナは酔った瑠衣を送ってくれた。誰も待つ人のいない部屋は静かでいつもよりも凍えていた。

「ありがとう。上がっていってティナ。」

「ううん、落ち着いたようだから帰るね。」

そんなふうに言うティナを引き留めて、部屋に上がってもらった。もう少し一緒にいたい、ティナといるのが心地よかった。

コーヒーを淹れて部屋が暖まるのをソファーに寄り添って待った。

「ずっと思い出したくないと思って、考えないようにしてたから。…男の人って…こわいよね。」

ティナには、夫からのDVやモラハラがあったことを打ち明けていた。ひとりで生きていこうと思っていることも。

ティナが優しく抱き寄せてくれた。
「甘えても、いいよ…」

ティナになら甘えられる。寂しかった心を慰めてもらえる。

瑠衣は素直にティナに抱きついた。

ぎゅ~っと抱きしめた肌が瑠衣の心も癒してくれていた。

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