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惰性同棲

第2章 惰性同棲

気付いたら朝になっていた。
とはいえもう11時。面倒臭いけど、朝ごはんを作ろうかな、なんて思う。

キッチンに立つとやっぱりめんどくさくて、テレビをつけてつまらない番組に見入る。

あまりのつまらなさに今度は料理をする気になって、味噌汁、白米、焼き鮭、ほうれん草のおひたしを作った。

「おはよー。えー!ご飯作ってくれてんの?むっちゃうれしい」

と言って私の頬にキスをする。
「キモ!もうできるから座って待ってて」

「なあ、なんかおでこ痛いねんけど何これ、俺のこと殴った?」

「昨日覚えてないん?朝方帰ってきた思ったら、血流して帰ってきたんやん。私が絆創膏貼ってあげたし」

机に座りながらカイトが苦笑いして「あざす」と言う。携帯を触りながらクスクスわらって

「昨日打ち上げしたバンドのギターも打ち上げで怪我してたらしい」

バンド界隈マジでこわいなと思う。
こんなこと始めてじゃない。前はバンドマンと殴り合いになって帰ってきたし、なぜか川に飛び込んで晴れている日にずぶ濡れで帰ってきたこともあった。

酒クズと付き合うもんじゃない。

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