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惰性同棲

第2章 惰性同棲


でも、ご飯を作って喜んでくれたり、こうして一緒に食卓を囲むのは好きだ。
ちゃんと恋愛をしているような錯覚に陥る。


「晴子今日バイト休み?」
「うん」

「1日一緒にいてくれんの?」
「まあ、うん」

と言っている間にお米が魚が焼けた。
配膳する。

「どしたん」
「いや、ここ数日あんまり2人でゆっくりする日無かったなあ、って思って」

少しヒゲを生やして、ちょっと汚く伸びた髪をに死んだ目ガラの悪い話し方、なのにこうも可愛いところがあると抜け出せない。

ついついニヤッとしてしまう。
恥ずかしくなって

「はい、いただきます」
「いただきますー」

と小学生顔負けの挨拶をかます。

何食わぬ顔でご飯を食べるフリをしながら、反応を伺う。

「んっ、美味しい」
少年のような表情をする。

あまりの嬉しさに頬が綻ぶ。

「最高」
ガツガツと食べてくれると、こちらとしても作り甲斐がある。

「よかった」

この人片足を椅子にあげて行儀も悪いけど、私らしくていいなと思う。
昨日のライブや打ち上げの話を聞きいているうちに、2人とも綺麗に完食した。

「俺が後で洗い物するからいいよ、リビング行こ」

天変地異、、、?隕石が落ちる、、?
というほどの衝撃。カイトが素晴らしい旦那のよう。珍しい。

「かいくん。ありがとう」
カイトが満足げに鼻で笑う。

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