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Fake it

第4章 Blue dream

【翔side】

酔った智君を迎えに行った翌朝、腕の中の体温を抱きしめながら考えてた。

やっぱり、彼には近付かないで欲しい。

昨夜会った孝太郎さんは、誰が見てもナイスガイで、魅力的だった。
穏やかな善人で、いかにも頭が良い人に見えるのに、それを鼻にかけるようなところもない。

俺が今まで見てきた、家柄や血筋に誇りを持っているスノッブな連中とは全く違うタイプの人だ。

だから困るんだ。

「しょおくん、オイラ先に行くから…」

抱いてる腕に力が入って起こしてしまったらしい。
智君がむにゃむにゃと言った。

「仕事だっけ?」

確か今日は休みだった筈。
そう思って問いかける。

「組合の集まりあるから…」

ハッキリと返答した後、また呼吸が寝息に戻る。

寝言か。
組合、ってなんだよ(笑)。

「ふふっ…」

思わず笑ってしまう。

智君が俺の胸に顔を寄せてきたから、背中をさすってやって。
また考える。

俺はいつも、自分が一時の感情に流されないように、対人関係でアクションを起こす時には一晩案件を寝かせることにしてるんだけど。

目が覚めてもその件が頭から離れていない状態だったら、スルーはしない。

やはり気になる。

彼は良い人過ぎるんだ。

もっと計算高い裏のある人だったら、智君も近づかなかったに違いないのに。
頼みごとをするくらいだから、きっと好意を持ってて、もう信用してしまってる。

あの人に何か頼まれたら、智君は断れないかもしれない。
世話になったことがあって借りがあるなら尚更だ。

問題は智君に何て言うか…。

頭の中で、どうやって智君を傷つけずに話を進めるか考えて。
組み立て終わった頃に、貴方が目を覚ました。

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