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Fake it

第4章 Blue dream

【智side】

あれから、話もしてない。

自分が情けなくて、目も合わせられない。

オイラのばか。

ばか。

「ばかっ!!」

口惜しくて、しゃがみ込んだまま立ち上がれないでいると、目の前に黄色い飲料が入ったペットボトルが現れた。

「ニノ……」

顔を上げると、ビタミンCが入ったスポーツドリンクを持ったニノが、鏡に映ってた。

「ムキになり過ぎ
何をそんなに怒ってんの?」

優しい声が沁みて。
だからって、何も言えなくて。

気持を飲み込むように、口を閉じる。

「ちょっと休もうよ」

汗でぐっしょり湿ってる背中に手を置いて言ってくれたから、二人並んでパイプ椅子に座った。





「そんなに追い込むほど不安?」

半分呆れたように笑いながら、ニノが言う。

「…ん…って言うかさ
いろいろ思い出してただけ…

昔、松潤が言ってただろ?
信じられるのはメンバーだけ
味方はこの4人だけ、って」

何からしゃべったら良いかわからないから、思いつくままに口に出してみた。

頭からタオルを被って顔の汗を拭くけど、拭いても拭いても、止まらない。
汗と一緒に、なんか自分の中の汚いものも、外に出て行ってくれると良いなと思う。

「あ~、言ってたねぇ、そう言えば
あの頃のJは毎日怒ってたから」

「うん…ふふっ…」

「あの人真面目だからさ、几帳面に怒るんだよね
オレとかアナタは怒るだけエネルギーの無駄と思ってるじゃん
それに比べるとJとか翔ちゃんはホントに真面目(笑)」

「だよね(笑)」

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