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Fake it

第10章 LOVE

【翔side】

「ん…」

いきなり キ ス をしても、智君はいつも、決して顔を避けたり、俺を押し返したりはしない。

いつも俺がすることを、そのまま受け入れてくれて。

「んん…っ…」

でも、今までと違ってるのは、おずおずと俺の背中に両手を回してきたこと。

「ん…しょ、んっ…」

もう、離さないからね。





その晩俺達は、ウチにあったあの舞台の年のワインを開けて、今まで話せなかった分、いろんなことを話した。

いつから好きだったのか、とか。

今までどう思ってきたか、とか。

ピッタリ寄り添って座ったソファーで、まるで中学生みたいに、モジモジしながら。

どもりながら。

たどたどしく、真摯に。

西伊豆の民宿のことも教えてもらったし、俺が孝太郎さんに嫉妬してたことも白状した(笑)。

ずっと俺の部屋に来てくれなかったのは、彼女の気配を知りたくなかった、って。

そんなことも教えてくれて、俺は本当に鈍かったんだなぁ、と申し訳なかった。

「ごめん」と「ありがとう」を繰り返しながら、酔いでリラックスすると共に、会話の間に キ ス を挟んでいって。

「貴方は俺のどこを気に入ってくれたの?
俺はちゃんと全部言ったんだから、貴方も教えて」

何度でも確かめたくて、押し倒した智君の上から見下ろして訊いたら。
ん~、ってしばらく考えてさ。

「長くない?」

考えてる間の長さに焦れて言うと、智君は、えへへっ、って子供みたいに笑った。

「かお」

「え…ルックスだけ?」

「うん(笑)」

「えっ、マジで?」

「うん、ふふっ
あとね、え っ ち も」

「ええっ!?それだけ??」

「うん(笑)」

小悪魔の 服 を 脱 が せ て。

大人の時間を楽しんだ。













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