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Fake it

第1章 2018 秋

【翔side】

俺は、この人の愛を信じている。

俺への、愛を。



「ぁ…あぁ…しょ…」

繋 が っ て から、吐 き 出 さ ず に何度か 気 を 飛 ば し た 貴方は、もうほとんど朦朧としてて。

俺を見つめて、柔らかく、幸せそうに微笑む。

小さな子供が笑いかけてくるみたいにあどけない。

「…ん…?…」

ゆっくりと 抜 き 差 し を繰り返しながら、俺は愛しい人の顔を見てた。

どんな表情も見逃さないように。

誰も知らない、貴方のこの顔。

眉間が穏やかに開いてて、ただ俺のことだけ 感 じ て くれてる時の、美しい貴方。



「しょ、ちゃ…ぁ…ん、んん…」

胸 に 抱えた格好になっている貴方の 脚 を、膝 から 腿 にかけて上下にマッサージするみたいに 撫 で 擦 る と。
甘 い 呻 き があがって、中 が きゅっと 締 ま る。

この人が 感 じ る 場 所 なら、もう全部わかってる。

気 持 ち い い でしょ…?

「もっと 蕩 け て…
大丈夫…俺が守るから…」

話しかけても、まともな言葉は返って来なくて。
潤み切った瞳で、ぼんやりと不思議そうに俺を見上げているだけ。

「ふふっ…」

その姿が可愛くて、愛おしくて。
自分の口角が上がるのがわかった。

時間も、自分も、全部手放して良いよ。

腕を伸ばしてきたから、動きを止めて、二人の 胸 を ぴったりとくっつけた。

ここに居るから。

俺は貴方のもの。

「しょ…だいすき…」

返事の代わりに 口 づ け る。

舌 を 絡め合っていると、俺の首にかけていた貴方の腕がやがて肩に回って。

「んっ…んん…」

肩を掴む指に力が入ったかと思うと。

「んんっ…」

動いていないのに、キ ス だけで、智君はまた 気 を 飛 ば し た。

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