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SO短編集

第2章 月光

【智side】

「あっ、しょ…つかまえて…」

浅く、浅く、何度もそこばかり。

やがて、ゆっくりと深くなって。

擦 り あげられて。

「あぁ…」

もう、飛んでいきそうだ…。

戻って来られなくなったら、どうしたらいいの…。

「しょお…あっ、ああ…」

翔君が何か言いながら、また、動きを 激 し く す る。

せり上がるように、やってくる波。

ああ…オイラ、もう…。

「あっ、あっ、しょおくんっ、こわいっ」

「智ッ」

「ああっ、しょおっ、あああっ」

もう声も出ないと思っても、止めようがなく、悲 鳴 みたいに。

自分の声が 懇 願 するのを聞いた。






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