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SO短編集

第3章 You are my precious.~翔~

【翔side】

そっと触れて、美しいその手に口づけると。

俺に笑いかけようとして、ちょっとだけ、貴方の唇に力が入る。

「………ぇり…」

「はい、ただいま」

「メシは…?」

目を閉じたまま訊いてくるのに、俺は笑いながら返事をする。

いくつになってもこの人は小さな子供みたいで。

だけど、一緒に居る相手のことをいつも気にかけてくれる大人で。

自分のことは後回しにする。






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