夜の影
第17章 Daylight
【翔side】
父親の死について有耶無耶にするつもりはなかったけれど。
冷静に考えてみれば、妹と弟に対する兄の責任を果たすことの方が、どう考えても大事だった。
掃除を続けながら、どんどん頭がクリアになって来て、自分は何をしていたのか、と目から鱗が落ちた。
女の人がよく言う、悲劇のヒロインに浸ってたというか。
明らかに普通の状態じゃなかったんだと思う。
スパイもどきのことをするよりも先に、まず自分一人で生活出来るようにならなければならなかったし。
妹と弟が帰って来られるような環境を作っておいてやるのが先だった。
地に足をつけた考えが出来る大人になりなさい、って、生前父がよく言っていたけど…。
こういうことなんだ、と思った。
サトシが言ってた言葉の意味が、やっと理解できた気がした。
憑き物が落ちたみたいにスッキリして。
自分が普通じゃなかったな、とは思うけど。
後悔もしていない。
俺にはあれが精いっぱいだった。
家を片付けながら、サトシのことも沢山思い出して。
っていうか、最初はそればっかりが頭から離れなくて。
サトシに出会ったこと。
二人で過ごした時間。
大事にしてもらったこと。
思い出す度に、もう会えないのかな、って切なくて…。
こんなにも誰かを求めたことはない。
会いたい、会いたい、って思いながら。
現実的に、問題とどう向き合っていくかを考える時には、サトシのことは敢えて胸の奥に沈めてきた。
それでも。
やっぱり会いたい。
いつもいつも、何をしていても。
頭なのか心なのか最早わかんないけど、自分自身の何パーセントかは、ずっとサトシを呼んでる。
どう考えても、好きだった。
父親の死について有耶無耶にするつもりはなかったけれど。
冷静に考えてみれば、妹と弟に対する兄の責任を果たすことの方が、どう考えても大事だった。
掃除を続けながら、どんどん頭がクリアになって来て、自分は何をしていたのか、と目から鱗が落ちた。
女の人がよく言う、悲劇のヒロインに浸ってたというか。
明らかに普通の状態じゃなかったんだと思う。
スパイもどきのことをするよりも先に、まず自分一人で生活出来るようにならなければならなかったし。
妹と弟が帰って来られるような環境を作っておいてやるのが先だった。
地に足をつけた考えが出来る大人になりなさい、って、生前父がよく言っていたけど…。
こういうことなんだ、と思った。
サトシが言ってた言葉の意味が、やっと理解できた気がした。
憑き物が落ちたみたいにスッキリして。
自分が普通じゃなかったな、とは思うけど。
後悔もしていない。
俺にはあれが精いっぱいだった。
家を片付けながら、サトシのことも沢山思い出して。
っていうか、最初はそればっかりが頭から離れなくて。
サトシに出会ったこと。
二人で過ごした時間。
大事にしてもらったこと。
思い出す度に、もう会えないのかな、って切なくて…。
こんなにも誰かを求めたことはない。
会いたい、会いたい、って思いながら。
現実的に、問題とどう向き合っていくかを考える時には、サトシのことは敢えて胸の奥に沈めてきた。
それでも。
やっぱり会いたい。
いつもいつも、何をしていても。
頭なのか心なのか最早わかんないけど、自分自身の何パーセントかは、ずっとサトシを呼んでる。
どう考えても、好きだった。