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夜の影

第17章 Daylight

【智side】

返事をしないで俯くカズの代わりに、俺はジョウシマさんへ素朴な疑問を投げてみる。


「ここって、何屋?」

「ん~、何やろ…
開放感のある漫画喫茶?
いや、漫画は無いな…
落ち着いてボーっと出来る場所言うか
昼寝しに来る場所言うんかなぁ
休む為のスペースやな」


なんだそりゃ。


俺の顔からハテナ?を読んだジョウシマさんが困ったように笑った。


「全部で8つのスペースがあってな
時間貸しするんやって
会員制で、結構な会費取るらしい
でもフリードリンク、フリーフーズやで?」

「それ、商売になんの?」

「ホンマやなぁ(笑)
新規の会員は大っぴらには募集せんのやて」


はぁ…?


「いいんだよ、目的は別にあるんだから
カズ、遠かっただろう
疲れてないか?」


首を捻ってるところに、松兄の声がした。

遠くはないだろ、ほんと、カズには甘いんだから。


「あっちのカウンターで料理のオーダーが出来る
カズ、何か甘いもんでも食べていけ
ハンバーグもあるぞ
お前はどうせ昼寝だろ?」


マツオカさんは、カズの頭を撫でてから、俺に向かってニヤッと笑った。



俺達が一番乗りで、その後ポツリポツリと招待客がやって来る。

それぞれが、受付で番号札らしきものを受け取っていた。

あれに、それぞれのスペースの番号が書いてあるらしい。

松兄から、お前たちは出て来なくて良い、って言われたから、とりあえず俺とカズは与えられた場所に納まって、ラグの上に足を伸ばした。








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