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夜の影

第21章 おまけ 彼方へ

【翔side】

智が立ち上がって腕を伸ばし、壁に取り付けられた給湯パネルのボタンを操作した。


「俺、のぼせちゃうから
お湯止めるぞ」


俺の臍の位置くらいでお湯が止まる。

でも、そんなことよりも、俺の顔の前に「智の」があって。

智が腕を伸ばした時に、益々「それ」が俺の顔に近づいたから。


「あっ」


智の腰を掴んで、反射的に口に入れちゃった。


「しょ…無理しなくてい」

「んーん」


いいの、って頭を振る。

したかったんだ。

当然、俺は今まで、される方ばっかりで、自分からするのはこれが初めてだけど。

だから、テクニック?とか、全然ないけど。

いつも智がしてくれるのが本当に気 持 ち 良 く て、だから俺もしたかった。





「…っ…翔…」


智の手が俺の頭をなでて、指が髪を梳く。

窓のない浴室は昼間でもライトが明るいから、流石に目を合わせるのは恥ずかしくて。

目を閉じたままで、頭を動かした。


「…ん…」


智の声がする。

気 持 ち い い ?

俺は、口の中の感触が初めてで、なんだか夢中になってしまった。

この弾力って、何か知ってるなぁ、と思って。

なんだろ、食べ物だな…。

お菓子かも…。

あ。

アレだ。

あの、ゼリーを固くしたみたいなヤツ。

アレを噛まないで口の中で転がす感じに似てるな…。

舌で溶かすっていうか…。

こうやってさ。


「ん…ぁ…」


智の、おっきくなった?

喉の奥にグンッと当たって、ちょっと苦しい。

口が塞がれてるから、自分の鼻息が荒い気がして恥ずかしい。

これ、絶対に顔を見られてるよなぁ…。

変な顔になってたらどうしよ…。





されてる時は、智の舌の感触がとにかく気持ち良くて、ドキドキして。

感じるだけで何も考えられなくなるんだけど。

してる時は、また違ったドキドキがある。

こんな、固くて大きいヤツ、あそこに入れられてるんだなぁ…。





「翔、もういいよ…」

「んん」


まだ、って頭を振ったんだけど。


「お前の 中 で イ き た い から
離して…」


そっか。

そだね、と思って口から出した。








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