夜の影
第23章 half brother
【和也side】
僕が自分で出来れば良いけど、それは許してもらえない。
勇気を出せ。
「だからっ、車を待たせているから今からノリユキ兄さんのところに一緒に行こう?
ノリユキ兄さんは優しい人なんだけど、ちょっと冷たく見えるから僕が一緒に行って話すから。心配いらない。大丈夫だから」
一気に言う僕を大野さんは無表情でじーっと見て。
それから残っていたポテトとカラアゲを紙ナフキンで包むと、無造作に上着のポケットに入れた。
席を立ってトレーを持つ。
良かった、成功だ。
「あ、ありがとうっ」
てっきりそのまま一緒に行ってくれるのだと思って、僕も慌てて立ち上がる。
手をつけていなかったハンバーガーとポテトを鞄に入れてトレーを片付け、ジュースを持って振り返ると、もう大野さんは階段に向かったのか姿が見えない。
慌てて追いかけた。
「待って、車まで案内するから」
古いビルの階段は、人とすれ違うのが難しいほど狭くて傾斜が急だ。
大野さんの降り方が早くて、中々追いつかない。
やっと並んだのは店を出たところで。
だけど大野さんは全然違う方向に一人でどんどん歩き出して行った。
僕が自分で出来れば良いけど、それは許してもらえない。
勇気を出せ。
「だからっ、車を待たせているから今からノリユキ兄さんのところに一緒に行こう?
ノリユキ兄さんは優しい人なんだけど、ちょっと冷たく見えるから僕が一緒に行って話すから。心配いらない。大丈夫だから」
一気に言う僕を大野さんは無表情でじーっと見て。
それから残っていたポテトとカラアゲを紙ナフキンで包むと、無造作に上着のポケットに入れた。
席を立ってトレーを持つ。
良かった、成功だ。
「あ、ありがとうっ」
てっきりそのまま一緒に行ってくれるのだと思って、僕も慌てて立ち上がる。
手をつけていなかったハンバーガーとポテトを鞄に入れてトレーを片付け、ジュースを持って振り返ると、もう大野さんは階段に向かったのか姿が見えない。
慌てて追いかけた。
「待って、車まで案内するから」
古いビルの階段は、人とすれ違うのが難しいほど狭くて傾斜が急だ。
大野さんの降り方が早くて、中々追いつかない。
やっと並んだのは店を出たところで。
だけど大野さんは全然違う方向に一人でどんどん歩き出して行った。