夜の影
第27章 眠らないカラダ
【和也side】
恐らくカメラをセットするところからスタートしてる。
黒いカーテンのようなもの? 壁紙だろうか。暗い部屋に臙脂色の一人掛けソファがあった。
照明はソファ脇にあるスタンドだけ。
男が一人歩いて来てソファに座った。
わざとそのように調節したんだろうと思うけど、顔が見切れて、目から上は映っていない。
音量が小さくて聞き取れないけど、多分誰かを呼んだ。
日本語じゃない。どこかアジアの言葉だ。
意味は解らないのに猫なで声なのはちゃんと伝わってくる。妙に優し気で、何かうさん臭い。
ブカブカの白いシャツを着た少年がフレームに入って来た。
着ているのはシャツだけなのか?
裸足でズボンを履いてない。
髪が短くて、生足の筋肉のつき方で女の子じゃないのが判った。
少年がソファの男の前に膝をついた。
男の手が上がって、少年の顔と耳の辺りを触っていて。やがて立ち上がり、カメラの方を向いて男の膝に座る。
その顔には黒いアイマスクが装着されていた。
脚を広げてソファの左右にある肘置きの上に乗せられ、局部が露わになる。
下着を着けていない。
「…………」
「…………」
僕と大野さんは、どちらもきっと最初から、何かヤバイものが始まったと分かっていたと思う。
言葉もなく、黙って映像を見続けた。
それは物凄く卑猥で、いやらしく、僕を強引に子供から卒業させることになった映像だった。
シャツのボタンを日に焼けた男の指が、一つずつ見せつけるように外して行く。
現れた少年の胸も腹も、病的に色が白い。
骨が露わで痩せていた。
後ろ手に回された腕を脱がされたシャツで固定されたのか、身動きできない様子が見て取れる。
幾つぐらいなのか、多分僕や大野さんと大して年は変わらないんじゃないか。
だけど、性器の周りは無毛だった。
恐らくカメラをセットするところからスタートしてる。
黒いカーテンのようなもの? 壁紙だろうか。暗い部屋に臙脂色の一人掛けソファがあった。
照明はソファ脇にあるスタンドだけ。
男が一人歩いて来てソファに座った。
わざとそのように調節したんだろうと思うけど、顔が見切れて、目から上は映っていない。
音量が小さくて聞き取れないけど、多分誰かを呼んだ。
日本語じゃない。どこかアジアの言葉だ。
意味は解らないのに猫なで声なのはちゃんと伝わってくる。妙に優し気で、何かうさん臭い。
ブカブカの白いシャツを着た少年がフレームに入って来た。
着ているのはシャツだけなのか?
裸足でズボンを履いてない。
髪が短くて、生足の筋肉のつき方で女の子じゃないのが判った。
少年がソファの男の前に膝をついた。
男の手が上がって、少年の顔と耳の辺りを触っていて。やがて立ち上がり、カメラの方を向いて男の膝に座る。
その顔には黒いアイマスクが装着されていた。
脚を広げてソファの左右にある肘置きの上に乗せられ、局部が露わになる。
下着を着けていない。
「…………」
「…………」
僕と大野さんは、どちらもきっと最初から、何かヤバイものが始まったと分かっていたと思う。
言葉もなく、黙って映像を見続けた。
それは物凄く卑猥で、いやらしく、僕を強引に子供から卒業させることになった映像だった。
シャツのボタンを日に焼けた男の指が、一つずつ見せつけるように外して行く。
現れた少年の胸も腹も、病的に色が白い。
骨が露わで痩せていた。
後ろ手に回された腕を脱がされたシャツで固定されたのか、身動きできない様子が見て取れる。
幾つぐらいなのか、多分僕や大野さんと大して年は変わらないんじゃないか。
だけど、性器の周りは無毛だった。