夜の影
第27章 眠らないカラダ
【和也side】
男の手が少年の躰をまさぐる。
優しげな、ゆっくりした動きだけど、ねちっこい感じ。
何ごとかをずっと話している様子で、動く唇が時に笑いの形を作ってる。
指が乳首を摘んで、首筋を舌が這って。
男の唇が離れると、白い肌に赤い跡が残っていた。
逃げようと顔を反らす少年の頬に触れて頭を戻すと、耳元に男の口が触れる。
舌が出たり入ったりして。
その度に少年の躰がビクンと震えた。
見てはいけないものを見ている、そう思うのに、どうしたって見てしまう開いた脚の間。
少年のその部分が、触れられてもいないのに徐々に形を変えて行く。
異様な光景に、僕は自分の顔が熱くなるのを自覚した。
きつく結んでいた少年の口が開いて、呼吸が荒くなる。音が小さいのに聴こえてくる声。
『あっ、ああっ、ああっ』
最初は苦しいのかと思ったけど、声を漏らす度に上を向く顎のラインや喉仏が妙に気持ち良さそうで。
もしかしたら嫌がってはいないのかもしれなかった。
すっかり立ち上がっている先端が光って、ライトに照らされてる。
腰がうねって、そこを突き出すように動き始めた。
背中が反る度に細い首の上に乗った頭が悩ましく揺れる。
『ああ、ああん、んん、あ、あ、あ』
喘ぎ声が大きくなっていく。
耳を舐めていた男の唇が動いたら、少年はウンウンと頷いた。
『イキタイ?』
実際には聞き取れないその声が、僕の耳元でそう言ったような錯覚が起きた。
きっと、そうだ。
イキタイか、と訊いてる。
それに、イキタイと頷いてるんだ。
見ている僕の躰まで熱くなってきて、これ以上を見たら駄目だと思った。
ギュッと目を閉じると、ノリユキ兄さんの冷ややかな声が飛んでくる。
「カズ、目を逸らすな。見るんだ」
そうだ、ここに居るのは僕一人じゃない。
自分がどんな顔で見入っていたか、と考えたら羞恥で顔を上げられなくなった。
「でも……」
「お前が知りもしないで何をやろうとしていたのか。
智に何をさせるつもりだったのかを、しっかり見ろ」
言ってノリユキ兄さんが一度、映像を止めた。
僕は言われたことの重大さに気がついて、思わず隣に居た大野さんを見る。
彼は強張った顔で、一時停止中の画面を睨んでいた。
映像が再開される。
ボリュームを調整したらしく、今度は音声がしっかり聴こえた。
男の手が少年の躰をまさぐる。
優しげな、ゆっくりした動きだけど、ねちっこい感じ。
何ごとかをずっと話している様子で、動く唇が時に笑いの形を作ってる。
指が乳首を摘んで、首筋を舌が這って。
男の唇が離れると、白い肌に赤い跡が残っていた。
逃げようと顔を反らす少年の頬に触れて頭を戻すと、耳元に男の口が触れる。
舌が出たり入ったりして。
その度に少年の躰がビクンと震えた。
見てはいけないものを見ている、そう思うのに、どうしたって見てしまう開いた脚の間。
少年のその部分が、触れられてもいないのに徐々に形を変えて行く。
異様な光景に、僕は自分の顔が熱くなるのを自覚した。
きつく結んでいた少年の口が開いて、呼吸が荒くなる。音が小さいのに聴こえてくる声。
『あっ、ああっ、ああっ』
最初は苦しいのかと思ったけど、声を漏らす度に上を向く顎のラインや喉仏が妙に気持ち良さそうで。
もしかしたら嫌がってはいないのかもしれなかった。
すっかり立ち上がっている先端が光って、ライトに照らされてる。
腰がうねって、そこを突き出すように動き始めた。
背中が反る度に細い首の上に乗った頭が悩ましく揺れる。
『ああ、ああん、んん、あ、あ、あ』
喘ぎ声が大きくなっていく。
耳を舐めていた男の唇が動いたら、少年はウンウンと頷いた。
『イキタイ?』
実際には聞き取れないその声が、僕の耳元でそう言ったような錯覚が起きた。
きっと、そうだ。
イキタイか、と訊いてる。
それに、イキタイと頷いてるんだ。
見ている僕の躰まで熱くなってきて、これ以上を見たら駄目だと思った。
ギュッと目を閉じると、ノリユキ兄さんの冷ややかな声が飛んでくる。
「カズ、目を逸らすな。見るんだ」
そうだ、ここに居るのは僕一人じゃない。
自分がどんな顔で見入っていたか、と考えたら羞恥で顔を上げられなくなった。
「でも……」
「お前が知りもしないで何をやろうとしていたのか。
智に何をさせるつもりだったのかを、しっかり見ろ」
言ってノリユキ兄さんが一度、映像を止めた。
僕は言われたことの重大さに気がついて、思わず隣に居た大野さんを見る。
彼は強張った顔で、一時停止中の画面を睨んでいた。
映像が再開される。
ボリュームを調整したらしく、今度は音声がしっかり聴こえた。