夜の影
第27章 眠らないカラダ
【和也side】
外国の言葉を途切れなく耳に注ぎ込みつつ、男の手が少年の腿の上を擦るように、足の付け根から膝の間を往復する。中心に近づく度に、少年の白い躰が捩れた。
出したくて仕方がないみたいに、何度も前に腰を突き出すその動き。
気持ち悪いとか、汚らしい、とか思うのに、同時に彼が持て余す衝動が伝わって来る気がして。
理解している自分が恐ろしい。
耳を塞いでしまいたいのに出来ない。
僕はノリユキ兄さんと大野さんに、自分の躰の変化がバレるんじゃないかと気が気じゃなくて、内腿にしっかり力を入れていた。
『ああっ、んんっ、んんっ、んんんっ』
少年の喘ぎ声はもう止まらなくなってて。
出そうとして何度も力むのに、男はそれには触れようとしない。
触られてないのに、どうしてこんなになってるんだろう。さっきから少年に一体何を言っているのか。
多分、言葉だけで操ってるんだ。
射精をコントロールされている。
『うっ、ううっ……』
やがて喘ぎ声に嗚咽が混じり、少年が何かを言った。
言葉はわからないけれど、懇願しているのがハッキリ解った。
何度も何度も、泣きながら訴えて。
男の唇が満足気に歪む。
そうして、男が優しく何かを言うと、直後に少年が短く呻いて、白い液体が溢れ出た。
『あ、あ、ああ……』
アイマスクをしていても分かる。
やっと開放された安心感と、自分で自分が制御出来ないことへの諦め。
出す時の、あの感じ。
恍惚とはこういう状態のことを言うのかと、僕は思った。
男が少年の顎を取って口づけしたところで、唐突に画面が暗くなる。
ノリユキ兄さんがノートパソコンをパタンと閉じて、煙草に火を点けた。
僕はテーブルの上に置かれたコーヒーカップをぼんやり見ながら、さっきノリユキ兄さんに言われた言葉を思い出す。
『お前が知りもしないで何をやろうとしていたのか。
智に何をさせるつもりだったのかを、しっかり見ろ』
自分の愚かさに、穴があったら入りたい気持ちで一杯だ。
何とか役に立ちたくて、それがヤバイことだと感づいていながら大野さんにお願いした。
自分に都合よく、助けてもらえないかって。
こんなことを大野さんにやらせるなんて、全く想像してなかった。
「ごめんなさい……僕が馬鹿でした」
情けない気持ちで、やっと言った。
外国の言葉を途切れなく耳に注ぎ込みつつ、男の手が少年の腿の上を擦るように、足の付け根から膝の間を往復する。中心に近づく度に、少年の白い躰が捩れた。
出したくて仕方がないみたいに、何度も前に腰を突き出すその動き。
気持ち悪いとか、汚らしい、とか思うのに、同時に彼が持て余す衝動が伝わって来る気がして。
理解している自分が恐ろしい。
耳を塞いでしまいたいのに出来ない。
僕はノリユキ兄さんと大野さんに、自分の躰の変化がバレるんじゃないかと気が気じゃなくて、内腿にしっかり力を入れていた。
『ああっ、んんっ、んんっ、んんんっ』
少年の喘ぎ声はもう止まらなくなってて。
出そうとして何度も力むのに、男はそれには触れようとしない。
触られてないのに、どうしてこんなになってるんだろう。さっきから少年に一体何を言っているのか。
多分、言葉だけで操ってるんだ。
射精をコントロールされている。
『うっ、ううっ……』
やがて喘ぎ声に嗚咽が混じり、少年が何かを言った。
言葉はわからないけれど、懇願しているのがハッキリ解った。
何度も何度も、泣きながら訴えて。
男の唇が満足気に歪む。
そうして、男が優しく何かを言うと、直後に少年が短く呻いて、白い液体が溢れ出た。
『あ、あ、ああ……』
アイマスクをしていても分かる。
やっと開放された安心感と、自分で自分が制御出来ないことへの諦め。
出す時の、あの感じ。
恍惚とはこういう状態のことを言うのかと、僕は思った。
男が少年の顎を取って口づけしたところで、唐突に画面が暗くなる。
ノリユキ兄さんがノートパソコンをパタンと閉じて、煙草に火を点けた。
僕はテーブルの上に置かれたコーヒーカップをぼんやり見ながら、さっきノリユキ兄さんに言われた言葉を思い出す。
『お前が知りもしないで何をやろうとしていたのか。
智に何をさせるつもりだったのかを、しっかり見ろ』
自分の愚かさに、穴があったら入りたい気持ちで一杯だ。
何とか役に立ちたくて、それがヤバイことだと感づいていながら大野さんにお願いした。
自分に都合よく、助けてもらえないかって。
こんなことを大野さんにやらせるなんて、全く想像してなかった。
「ごめんなさい……僕が馬鹿でした」
情けない気持ちで、やっと言った。