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夜の影

第28章 Introduction~STORM~

【智side】


「う……」

キスでまた熱くなってたのを擦られて、すぐにまた先端からヌメリが広がった。

そんな続けてイけない、って思うのに。

「あ……あ、ん……」

だめ、気持ちいぃ。

「んっ……あぁ……」

人にされるのも初めてで、心の準備もなくイかされて。

何してるんだろ、って思うのに、躰の熱は高まるばかりだ。

「イッていいぞ」

耳元で言われて、舌がそのまま入って来た。

「ああっ!」

耳の中で響く音が初めての感覚で、オイラの口から悲鳴じみた声が出た。
自分の意志とは関係なく躰がビクンと跳ねる。

「あっ、あっ、あぅ」

舌が動く音で背筋がゾクゾクして。

耳朶をきゅぅっと吸われて、また躰が勝手によじれる。

「あっ、んっ」

息が直接、躰の中に入って来るみたいで声が止まらないんだ。

腰が跳ねて、背中が仰け反る。

握った手の圧が強くなっていくのがわかった。

ああ、これじゃぁ、またイかされてしまう。

「智、イイコだ……
気持ち良くしてやる……」

耳に唇をつけたまま、囁くように言われる。

ダメ、喋らないでよ。

「あっ……ああっ、ああっ」

出したくて腰が勝手に動く。

イきたい。

「ほら、イッてしまえ」

「ああっ、あっ……んん~〜」

なのにイこうとしても簡単には出ないんだ。
何かロックが掛かってるみたいに。
腰がバウンスを繰り返すのに。

なんでっ。

イきたいのに。
イきそうなのに。

思うようにイけなくて、つらくて首を振る。

「んっ、むりっ、ああっ」

目を閉じて集中しようとしてて、そしたら口を塞がれた。

手の動きがいっそう早くなる。

「んっ、んんっ……んんっ……」

イきたいっ。

もっと強くしてっ。

「んんんんっ!!」

舌を痛いくらいに吸われて、驚いた拍子にロックが外れたのか、やっとオイラは達した。

「んっ……んぁ……はぁ……」

それは、むしろホッとするような開放だった。

時間にしたら短かったのかもしれないけど、感覚的には、やっと、という感じ。

酸素不足で苦しいのにヒガシヤマさんの唇が離れないから、オイラは呼吸をするのもままならなくて。口の端から唾液が零れてるのがわかる。

ようやく出せた安堵を感じながら、もう抵抗する気力も無くて、されるがまま。
二人でいつまでも舌を絡め合ってた。


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