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夜の影

第28章 Introduction~STORM~

【紀之side】

仕込みをするのはマツオカ以来か。
あれは男気がある分楽だったが、この子はどうなるか。

続けざまにイかされてグッタリしてる躰を抱き起こした。
呼吸をするだけで精一杯なんだろう。
智は逆らわない。

「ま、だ、すんの……?」

そうだよ。

男の欲には限度がない。
さっさと自意識を手放して躰に任せた方が楽だと覚えるんだ。

相手を心ごと受け入れようなんて思うな。
頭で理解しようとするな。
躰の反応に任せて遣り過ごせ。

座位で背中から抱いてやって、両脚を開かせた。
使い込まれた様子の無いソレは、紅く充血して開き始めたばかりの薔薇を思わせる。

手を伸ばすと嫌がって首を振るが、構わずに触れた。
握らずに、指先でだけでゆっくり撫でてやる。

「あぁ……も、ヤダ……つ、かれた……」

思わず笑ってしまった俺の息遣いで、智の躰がビクンと跳ねる。

「止めてもいいぞ」

耳元に唇を寄せて囁やくように言ってやった。

「だが、ここで止めたら、お前は俺に嬲られただけになるな? 何をしに来たのか分からなくなるが、いいのか?」

「……っ……あぁ……」

途中、短いキスを首筋に落としながら言った。
指の腹で先端を撫でてやると智の腰がブルブルと震える。

「ほら」

空いている手で胸を摘んだ。

「あっ」

「そうだ、イイコだ。
与えられる快感を素直に受け取れ。
そうすれば奪われない」

「あぁ……わ、かんないよ……あ、あぁ……」

片手で胸を擦りながら、同じように下に触れてる手で先端を擦ってやる。

敏感になっているから強い力は要らない。智には堪らない刺激な筈だ。

「お前が嫌なら止めようか?」

「…………」

両手の動きを止めて、そっと抱いてやる。
そのまま動かないでいる間、智の息遣いだけが部屋を満たしてく。

返事を待つのに十分な間を取ってから、腕の拘束を解きにかかった。

俯いて大人しくしていた智は、腕が完全に自由になっても動かない。

「ほら、帰れ。二度とここへは来るな」

言って躰を離した俺を驚いた顔で振り返る。

人肌の温もりを断ち切れるなら、それはそれでいいさ。
お前みたいな子供を組敷いたところで、俺の欲が満たされるものでもない。

どうする、智。

淋しさに勝てるか。


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