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夜の影

第6章 Wanna make you mine

【智side】

「どうする?」

俺はなるべく何でもないことみたいに言う。

傷つけたいわけじゃない。

ショウは何を思ったのか、不思議そうな顔で俺のことをじっと見て。

ふっ、と笑った。

まるで、俺を気遣うみたいに。

それから、俺のことを 抱 きしめるように、背中に回した腕に力を込めた。

「…そっか、じゃ、ちょっと待ってな」

ほらな。

触れ合ってると、嘘を吐くのはむずかしい。





チェストから取り出したジェルを多めに手のひらに出して、容器ごとショウに見せた。

くくっ。
ほんと、分かりやすい奴。

怪しむような顔をして、じーっと見てる。

「これ、滑るやつ
塗るけど
冷たかったら…
まぁ、ガマンして」

俺が笑いたいのを堪えながら言ったら。

はぁ?

って、いかにも文句がありそうな顔(笑)。

反応が面白いから、つい、からかってやりたくなる。

「なんだよ、じゃぁ練乳にするか?」

言ったらキョトンとなった。

「れんにゅう
かき氷にかけるやつ
それ、塗りたくって 舐 め て やろうか
って言ってんの」

ショウは見る見るうちに赤面して、両手で顔を隠した。

「あははは!」





すぐに忘れるんだ。

男 同 士で 抱 き合ったって、何も、生まれない。

だから、ショウ。

今だけ、愛してやる。





また 唇 を合わせた。

舌 を絡めながら、入口をくるくると指で撫でる。

そのまま、ゆるゆると進めた。

「んんんっ」

脚が閉じようとして、俺の 腰 を 締めた。

絡んでいたショウの 舌 が止まる。




キツイ。




せっかく柔らかくなってた 躰 が、緊張して。

顔から外れた両手が、何かに縋ろうとするみたいにシーツの上を動いた。






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