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夜の影

第7章 Fallin'

【智side】

「あっ、サ、トシ」

ショウの閉じた目蓋から、涙 がポロポロとこぼれてくる。

頭が激しく左右に揺れて、懇願してる。

酷 く しないで、って。



「大丈夫だよ…っ…もう少し」

「んんんっ」



ゆっくりしてやりたいけど、どうしたって 痛 み があるんだから。

長引かせないで 入 れ て しまった方が、馴染むのが早い。



「あぁ、キツイ…
ショウ、イイコだな…
大丈夫だよ」

腕 に引っかかっていたもう片方の 脚 も、肩に乗せた。



噛みしめた 唇。

涙 で顔 がもうぐちゃぐちゃだ。



「あとチョット…」

押し返してくる力を抑えて、腰 を突き入れる。

ショウから 悲 鳴 が上がる。

「ああっ!!」

やっと根元近くまで入った。

まだ、意識はあるか?



「…っ…ショウ?…聞こえる?」



反応がないから、頭を撫でながら短く キ ス を繰り返す。



額に、眉に。

目蓋に、頬に。



胸 を押し返す力が弱くなってきた。

汗と涙で、躰 も顔も湿ってる。



「ショウ、これ以上は 痛 く しないから
目ぇ、開けてみな」



はっ、はっ、と短い息が続く。

その度に、中にいる 『俺』 に圧がかかる。



「ショウ?」



無理、って言うみたいに頭が左右に揺れる。

聞こえてる。



「ショウ、イイコだな…
もっと長く息して…
俺のこと好きだろ?
言う通りにしな?」



女と違う 躰 は本来受け入れる機能を持たない。

無理に入れるんだから 痛 い に決まってる。

内側から 引 き 裂 か れ る ような感覚しかないだろう。

最初が一番つらい。



頭を撫でながら、耳元で囁く。



「大丈夫だよ、動かないから」



ふーっ、ふーっ、っと息が長くなった。

落ち着くまで名前を呼びながら、顔中に キ ス を落とした。








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