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夜の影

第9章 ショウ

【翔side】

「ショウ、確認な?
俺に触られるの、嫌か?」

サトシが静かな顔で訊いた。
俺は、嫌じゃないよ、って首を振る。

「触られても平気か?」

うん、って下を向いたまま頷いた。

それだけじゃ足りないかな、と思ってサトシの腰に腕を回して、そっと自分の 躰 を寄せた。

「ん、わかった
じゃ、あったまろ
お前、冷えてる」

サトシが言って、俺をくっつけたまま浴槽に片足を入れた。
促されて、俺もお湯に入る。





浴槽の中にしゃがもうとしたら、先に座ってたサトシの腕が伸びてきて 躰 を支えてくれた。

曲げてた 脚 を持ち上げられて、向かい合わせにサトシの膝の上に乗せられる。

そのままサトシの腕が腰と背中に回ってきて。
引き寄せられた。

ぴったりとくっつく。

お湯があったかくて、気持ちいい。

触れ合ってる胸も、腕も、脚 の付け根も。
くっついてるのが、気持ちいい。

この人に抱きしめられてると、なんでか安心する。





俺は、まだ、どんな顔をすればいいのかわかんなくて、サトシの肩に顔をうずめた。

躰 がお湯に馴染んできて、はぁ~っ、って溜息が出る。

段々と自分の 躰 から力が抜けてくのがわかったから、そのままサトシに体重を預けた。





俺の肩がお湯から出てるからかな。

サトシの手が何度も背中にお湯をかけてくれて。

その度に上下に撫でてくれる。

心地良くて、自然に目を閉じた。








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