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夜の影

第11章 The first man

【翔side】

顔に汗が一杯浮いてたから、タオルで拭ってやってたら。

「俺のことはいいから自分の躰を先に拭けよ」

むにゃむにゃっと言いながらも、サトシは俺にされるがままになってた。

むふっ。

楽しい。

嬉しい。





髪をぐしゃぐしゃって拭いてやって、唇 にチュッって キ ス をした。

直ぐに離れようと思ってたら、頭の後ろに手が回って来て、舌 が絡んでくる。

「んっ…」

ああ…。

この人に キ ス されてると、もう条件反射みたいにボーっとしてくる。

目を閉じてしまって。

舌 と 唇 の 感覚に支配される。





「ん…っ…んふっ…」

顔を両手で押さえられて。

何も考えられなくなって。

しゃがんでる脚に力が入らなくなってきて、床に膝をついた。

絡まる 舌 と、何度も角度を変えて合わさる 唇 が 立てる音。

自分から漏れ出る鼻にかかった甘い声。

サトシの息遣い。

「ぁ…は…ん…」

頭が真っ白になってく。





時間の感覚がなくなって夢中になってたら、ふいに唇が離れた。

戻って来てくれると思って、そのまま待ってると、チュッ、って。
はい、おしまい、みたいに短く キ ス される。

「あとでな」

サトシは言うと、やっぱり優しい顔で、ふにゃっ、て笑った。





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