夜の影
第12章 愚か者
【翔side】
女子供相手。
「ふっ」
じゃぁ、あの家を出る必要はなかったんだ?
なんだよ、それ。
まんまと脅しに屈して、鍵まで渡して。
書類の確認をすることもしないで。
弟と妹も。
借金自体が嘘なら、遠くに行かせる必要もなかったってことだ。
「ははっ」
俺が、不甲斐ないばかりに。
母を死なせ。
弟妹を守ってやることも出来ず。
「ははははっ」
現実的なことから目を背けて、自分が辛い道を行けば。
それで償いになると思ってたんだ。
そのくせ、あんまり重いから。
もう何もかも、どうでもいいような気もしてて。
人恋しくて。
ただ流されようとした。
「ハハハハハッ」
馬鹿だ。
どうしようもなく馬鹿だ。
俺は自分の顔を両手で覆った。
笑いが止まらない。
「アッハハハハッ!!
アハハハハッ!!」
学校の勉強がいくら出来たって。
両親に先立たれたら、ただのガキで。
世の中の仕組みも何も分かってなくて。
狡猾な連中には、全く歯が立たない。
一人で傷ついてる気になって、目の前にあるものを鵜呑みにした。
「翔さん?」
「アハハハ!
ハハハハッ!!
くっくっく」
「翔さん、大丈夫ですか?」
二宮君が俺の背中に向かって声をかけてくるのが聞こえる。
ごめんね。
悪いけど返事出来ない。
自分があんまり馬鹿過ぎて。
女子供相手。
「ふっ」
じゃぁ、あの家を出る必要はなかったんだ?
なんだよ、それ。
まんまと脅しに屈して、鍵まで渡して。
書類の確認をすることもしないで。
弟と妹も。
借金自体が嘘なら、遠くに行かせる必要もなかったってことだ。
「ははっ」
俺が、不甲斐ないばかりに。
母を死なせ。
弟妹を守ってやることも出来ず。
「ははははっ」
現実的なことから目を背けて、自分が辛い道を行けば。
それで償いになると思ってたんだ。
そのくせ、あんまり重いから。
もう何もかも、どうでもいいような気もしてて。
人恋しくて。
ただ流されようとした。
「ハハハハハッ」
馬鹿だ。
どうしようもなく馬鹿だ。
俺は自分の顔を両手で覆った。
笑いが止まらない。
「アッハハハハッ!!
アハハハハッ!!」
学校の勉強がいくら出来たって。
両親に先立たれたら、ただのガキで。
世の中の仕組みも何も分かってなくて。
狡猾な連中には、全く歯が立たない。
一人で傷ついてる気になって、目の前にあるものを鵜呑みにした。
「翔さん?」
「アハハハ!
ハハハハッ!!
くっくっく」
「翔さん、大丈夫ですか?」
二宮君が俺の背中に向かって声をかけてくるのが聞こえる。
ごめんね。
悪いけど返事出来ない。
自分があんまり馬鹿過ぎて。