夜の影
第12章 愚か者
【翔side】
「翔さん、まだ何も確定していません
気持ちを鎮めて
話を聞いてください」
ごめん、うるさい。
今、俺に話しかけないで。
「くっくっく
ふふっ
アハハハハハハッ!!」
どこのどいつか知らないけど。
返せよ。
家があって、家族が揃ってて。
普通に学校に行って。
「翔さんっ」
俺は立ち上がって、手で顔を拭いながらベッドがある部屋へ向かった。
笑い過ぎて涙が出る。
二宮君が音を立てて追いかけてくる。
腕を掴まれたから、黙ったままで振り払った。
「翔さん、待って
今ここを出たからってどうするの!
どこに行って何をするかもわからないでしょ?
闇雲に行動しても連中の思うつぼです
冷静に考え、あっ!」
煩いから体にかかった二宮君の両手を引きはがして、突き飛ばす。
転んだ二宮君がテーブルを倒して、思いのほか大きな音がした。
ああ、まずい。
怪我をさせたかもしれない。
妙に冷静に思いながら振り返って見たら、天板のガラス板が外れてて、コーヒーがラグの上に飛び散ってた。
倒れてる二宮君を上から見下ろすと、元々色白の顔が真っ青になってたから一瞬ドキッとしたけど。
血は出てなかったし、正直、本当に腹が立ってて。
他人を気遣う余裕がなかった。
「翔さん、待って…」
二宮君は痛そうに顔をしかめてて、倒れた体を起こそうとしていた。
酷いことをしてしまった、と思ったけど。
助け起こそうと思っても、頭に血が上ってて体が動かない。
息遣いばかり荒くて、自分が馬鹿丸出しだ。
自分が情けないからって他人に当たって。
サイアクだよ。
いたたまれなくて、振り切るみたいに背を向けたら。
いつの間に戻って来ていたのか、目の前にサトシが立ってた。
「翔さん、まだ何も確定していません
気持ちを鎮めて
話を聞いてください」
ごめん、うるさい。
今、俺に話しかけないで。
「くっくっく
ふふっ
アハハハハハハッ!!」
どこのどいつか知らないけど。
返せよ。
家があって、家族が揃ってて。
普通に学校に行って。
「翔さんっ」
俺は立ち上がって、手で顔を拭いながらベッドがある部屋へ向かった。
笑い過ぎて涙が出る。
二宮君が音を立てて追いかけてくる。
腕を掴まれたから、黙ったままで振り払った。
「翔さん、待って
今ここを出たからってどうするの!
どこに行って何をするかもわからないでしょ?
闇雲に行動しても連中の思うつぼです
冷静に考え、あっ!」
煩いから体にかかった二宮君の両手を引きはがして、突き飛ばす。
転んだ二宮君がテーブルを倒して、思いのほか大きな音がした。
ああ、まずい。
怪我をさせたかもしれない。
妙に冷静に思いながら振り返って見たら、天板のガラス板が外れてて、コーヒーがラグの上に飛び散ってた。
倒れてる二宮君を上から見下ろすと、元々色白の顔が真っ青になってたから一瞬ドキッとしたけど。
血は出てなかったし、正直、本当に腹が立ってて。
他人を気遣う余裕がなかった。
「翔さん、待って…」
二宮君は痛そうに顔をしかめてて、倒れた体を起こそうとしていた。
酷いことをしてしまった、と思ったけど。
助け起こそうと思っても、頭に血が上ってて体が動かない。
息遣いばかり荒くて、自分が馬鹿丸出しだ。
自分が情けないからって他人に当たって。
サイアクだよ。
いたたまれなくて、振り切るみたいに背を向けたら。
いつの間に戻って来ていたのか、目の前にサトシが立ってた。