夜の影
第12章 愚か者
【翔side】
サトシは最初に会った時みたいに、無表情で俺を見てる。
「……何してんの?」
俺に話しかけてるのはわかったけど、返事が出来ないから黙ってた。
「智…翔さんを止めて…」
二宮君が苦しそうにサトシに呼びかける。
サトシは倒れてる二宮君をじっと見てから、で?って感じに俺へ視線を向けた。
その顔が酷く冷たく見えて、思わず息をのむ。
「…っ…」
嫌われたくない気持ちと。
どうにも腹が立って情けない気持ちと。
とにかく今すぐここを出なければ、という焦りがごっちゃになって、噛みしめた唇がブルブルと震える。
そうする理由もないのに、俺は瞬きも出来ずにサトシを睨みつけてた。
「ショウ、手間をかけさせるな
俺は今機嫌が悪いんだ」
「……」
だから?
って言いかけて、言えない。
喋ったら駄目だから。
サトシを睨みつけたまま、自分の呼吸の音だけ、フーッフーッって聞こえてて。
誰も助けてなんか、くれないんだ、って思ったら突然息が苦しくなって、立ってられなくなった。
ベッドがある部屋へ行こうとして一歩踏み出したら、何かに躓いたみたいに脚が引っかかって。
前のめりに倒れそうになったところをサトシが支えてくれる。
「お前、少し寝てろ」
耳元でサトシの声がしたのと同時に、後頭部に衝撃が入って。
落とされた、と気づいた直後に意識を失った。
サトシは最初に会った時みたいに、無表情で俺を見てる。
「……何してんの?」
俺に話しかけてるのはわかったけど、返事が出来ないから黙ってた。
「智…翔さんを止めて…」
二宮君が苦しそうにサトシに呼びかける。
サトシは倒れてる二宮君をじっと見てから、で?って感じに俺へ視線を向けた。
その顔が酷く冷たく見えて、思わず息をのむ。
「…っ…」
嫌われたくない気持ちと。
どうにも腹が立って情けない気持ちと。
とにかく今すぐここを出なければ、という焦りがごっちゃになって、噛みしめた唇がブルブルと震える。
そうする理由もないのに、俺は瞬きも出来ずにサトシを睨みつけてた。
「ショウ、手間をかけさせるな
俺は今機嫌が悪いんだ」
「……」
だから?
って言いかけて、言えない。
喋ったら駄目だから。
サトシを睨みつけたまま、自分の呼吸の音だけ、フーッフーッって聞こえてて。
誰も助けてなんか、くれないんだ、って思ったら突然息が苦しくなって、立ってられなくなった。
ベッドがある部屋へ行こうとして一歩踏み出したら、何かに躓いたみたいに脚が引っかかって。
前のめりに倒れそうになったところをサトシが支えてくれる。
「お前、少し寝てろ」
耳元でサトシの声がしたのと同時に、後頭部に衝撃が入って。
落とされた、と気づいた直後に意識を失った。