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夜の影

第13章 サヨナラ

【翔side】

この日。

日中は二人でネットの動画を見たり、二宮君のゲームを借りて遊んだりして。

サトシの顔が近づくたびに、もうキスしないのかな、って思って。

中止ってことは、もうアレもしないのかな、とか。

ちょっと思ったりもしたんだけど…。

家に帰るんだから必要ないだろ、って言われそうで怖くて。

サトシが優しいから、甘えてただ傍に居た。



初日に出来なかったから、ってサトシが言って、遅い昼ご飯は二人で外にラーメンを食べに行って。

どこにでも居る若ゾーみたいに、並んでダラダラ歩きながら、時々フッとやってくる感覚が怖くて。

上手く言葉に出来ないけど...。

この時間は今だけの、凄く貴重なものなのかもしれない、って。

薄々気がついてるのに、知らんぷりをしてるみたいな。



後になってわかった。

あれは別れの予感だったんだ。



満腹になると、また睡魔が襲ってきて。

事務所に戻って俺の躰に触れたサトシが、あったけぇなー、子供か?って笑った。

俺は別に眠くないけど、お前がさみしがり屋だから特別に添い寝してやる、って。

サトシがふざけて言って。

二人でベッドに入って、サトシの匂いに包まれて昼寝した。

起きたらもう暗くなってて。

青と黄色のネオンが差し込む中で、俺はまた、サトシに 抱 か れ た。















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