テキストサイズ

夜の影

第13章 サヨナラ

【智side】

多分、もうこれが最後だろう、と思いながらの 行 為 だった。

カズの言う通りで、今更俺が、普通に学生をやれるとも思えなかったし。

会社員とかの勤め人は尚更だ。

ショウが元居た世界に戻れるなら、ここで経験したことは一時の夢。

ただの気の迷いだ。

すぐに忘れるだろうし、正気に返れば、無かったことにしたいだろう。

それでいい。





だったら、もうコイツには触れない方がいい、って思うのに。





生意気で、さみしがりで。

泣き虫で。

弱ってるのに強がるのが、可愛くて。

そのくせウブイ反応で。

素直な 躰 を してて。





初日はあくまで仕事だったから。

バッチじゃなくてただの俺で最後にちゃんと 抱 き た かった。

結局、惚れたってことなんだろうか。

わかんないけど。

わかんないままで良いんだろう。



「んっ、サト…んん…」



キ ス し始めた時から、ショウは少しも逆らわなくって。

ただ受け入れてくれて。

頑固に喋ろうとしない。

きっとショウもわかってる。

あえて言葉にはしないけど、家に戻るってことは、この関係が無かったことになることだ、って。



「あっ」



肌 を強く 吸 っ て 痕を残す度に、ショウは声を上げて 躰 を 震わせた。

最初の時は、ショウの初会が控えてたからしなかったが、その話も、もう別の玉へ回ってる。

遠慮する必要もない。



「ショウ」



俺がお前の、最初で最後の 男 だよ。

ごめんな。

すぐに忘れていいから。

今だけ、俺にくれ。






ストーリーメニュー

TOPTOPへ