夜の影
第14章 Akira
【智side】
ニノミヤ氏はリビングの中央、本来なら部屋の主人が座るオットマン付きのソファに、どっかりと足を組んで座っていた。
「あ…スミマセン…」
初めから様子を窺って、ドアを注視していたのだろう。
男とバッチリ目が合ったから、敢えて怯えた顔を作って弱々しく言った。
「あ、あの…」
躊躇する振りをしながら部屋へ戻ろうとすると男から声がかかる。
「シ ャ ワ ー かい?」
ギラギラした目つきをしてるくせに、猫なで声を出すのが白々しい。
シャワーなら主寝室にあるのに、とんちんかんなことを言う、と俺は笑いをこらえる。
ニノミヤ氏は俺の全身を上から下まで 舐 め る ように見て、視線を一か所で止めた。
シャツの裾を見てるんだろう。
男 色 の趣味は無いらしいけど、あれを見て 欲 情 しない男は居ない。
弱いものをいいように 弄 り た い 欲 求 が、どの男にも必ずある。
まして自分の 欲 望 に忠実な奴なら、チャンスを逃すはずもない。
「いらっしゃるとは思わなくて…
ごめんなさい…
失礼します…」
ことさらにゆっくりと部屋へ戻ろうとすると、男が立ち上がって追ってきた。
「待って、気にしなくていいから
いいから、こっちに来て座って?
少し話でもしない?
話し相手が居なくて退屈してるんだよ」
男は言いながら、スラックスの前を何気ない素振りで触った。
膨 ら ん で キツクなってるから、下 着 が 当たってる部分の生地をずらしたんだろう。
「でも…叱られるから…」
「なんで?誰が叱るの?
大丈夫だよ
彼なら一時間は戻って来ないし
話をするだけなんだから、ね?」
男は言って、俺の肩に手を回し、ソファへ誘導する。
迷い、戸惑う振りで従いながら、わざと足をもつれさせた。
「あっ」
「おっと」
俺の腹に男の腕が回って、転びそうになる(振りをしてる)のを支えた。
「大丈夫?
ほら、座った方が良いよ」
言って、カウチに誘導されたから、そのまま座る。
腰を下ろす時に、寝間着の裾が持ち上がるように調節した。
「ちょっとフラフラして…」
額に手をやって眩暈を堪える仕草をしながら、指の隙間から男の顔を盗み見る。
男の喉がゴクリと鳴った音が聞こえた。
ニノミヤ氏はリビングの中央、本来なら部屋の主人が座るオットマン付きのソファに、どっかりと足を組んで座っていた。
「あ…スミマセン…」
初めから様子を窺って、ドアを注視していたのだろう。
男とバッチリ目が合ったから、敢えて怯えた顔を作って弱々しく言った。
「あ、あの…」
躊躇する振りをしながら部屋へ戻ろうとすると男から声がかかる。
「シ ャ ワ ー かい?」
ギラギラした目つきをしてるくせに、猫なで声を出すのが白々しい。
シャワーなら主寝室にあるのに、とんちんかんなことを言う、と俺は笑いをこらえる。
ニノミヤ氏は俺の全身を上から下まで 舐 め る ように見て、視線を一か所で止めた。
シャツの裾を見てるんだろう。
男 色 の趣味は無いらしいけど、あれを見て 欲 情 しない男は居ない。
弱いものをいいように 弄 り た い 欲 求 が、どの男にも必ずある。
まして自分の 欲 望 に忠実な奴なら、チャンスを逃すはずもない。
「いらっしゃるとは思わなくて…
ごめんなさい…
失礼します…」
ことさらにゆっくりと部屋へ戻ろうとすると、男が立ち上がって追ってきた。
「待って、気にしなくていいから
いいから、こっちに来て座って?
少し話でもしない?
話し相手が居なくて退屈してるんだよ」
男は言いながら、スラックスの前を何気ない素振りで触った。
膨 ら ん で キツクなってるから、下 着 が 当たってる部分の生地をずらしたんだろう。
「でも…叱られるから…」
「なんで?誰が叱るの?
大丈夫だよ
彼なら一時間は戻って来ないし
話をするだけなんだから、ね?」
男は言って、俺の肩に手を回し、ソファへ誘導する。
迷い、戸惑う振りで従いながら、わざと足をもつれさせた。
「あっ」
「おっと」
俺の腹に男の腕が回って、転びそうになる(振りをしてる)のを支えた。
「大丈夫?
ほら、座った方が良いよ」
言って、カウチに誘導されたから、そのまま座る。
腰を下ろす時に、寝間着の裾が持ち上がるように調節した。
「ちょっとフラフラして…」
額に手をやって眩暈を堪える仕草をしながら、指の隙間から男の顔を盗み見る。
男の喉がゴクリと鳴った音が聞こえた。