勝手に運命感じてます
第1章 運命の出会い?
「……お前らなぁ、こんなところで揉め事起こそうとすんじゃねぇよ」
やっぱり、先輩だぁ。
うそぉ……二度も助けてくれたぁ……。
「だっ、だって、このコがキャプテンに付きまとってるみたいだから、注意をっ――」
「余計なお世話だっつーの。注意なら自分でするし、あんたらには関係ねぇことだろっ。
揉め事起こすなら、もう二度とここには来んじゃねぇっ! わかったなっ!」
先輩っ……。私のために、お姉様方を一喝して……。
どうしよー。嬉しすぎて泣きそうっ。
「っ、ごっ……ごめんなさぁいっ!」
あらら。仁王立ちのお姉様とその仲間達、手で顔を覆って泣きながら走り去っていっちゃった。
はぁ……けど、助かったぁ……。
「郁っ、大丈夫!?」
私はその場でヘナヘナと座り込んだ。
「っ、おいっ! また腰抜かしやがったのかっ!?」
「い、いえっ。腰ではなくて、ちょっと緊張感が抜けまして……あははっ……」
「たくっ……あんな女どもを相手に、よく一人で立ち向かったよな」
「だって……先輩をモノ扱いしたから、ムカついて……」
ん? 気のせい?
先輩、一瞬だけ――顔が赤くなったような?
「…………はぁーー……入学早々ムチャすんな。腰抜けのクセによ。ほら、立てっ」
「ふわぁっ!」
脇を抱えられて、まるで子供を抱っこするかのように軽々と持ち上げられた。……かと思ったら、すぐにそのまま下ろされ、地面にポンっと立たされた。
なんか、今日出会ったばかりなのに、先輩にホイホイ持ち上げられてばっか。
これって、子供扱いしかされてない?