勝手に運命感じてます
第1章 運命の出会い?
「いい? いくら助けてもらったからって、あんまりキャプテンに付きまとうようなことは、やめてくんなーい?
キャプテンはみんなのキャプテンなんだから、個人的に近づかないでよねー」
「……え?」
その仁王立ちのお姉様に同調するように、周りからも「そーよそーよぉ」と声が上がる。
ていうか……何で?
何でそんなことを、勝手に決められなきゃいけないの?
先輩から言われるならわかるけど――
「……お姉様方には関係ないじゃないですかぁー?」
「はぁ!?」
「ちょっと、郁ぅーっ」
私のあっけらかんとした受け答えは、仁王立ちのお姉様の怒りに火をつけ、凛ちゃんの肝を冷やした。
それでも私は気にせずに、言葉を続ける。
「それに、先輩は皆さんのモノではないと思うんですよぉー。とかいって、私のモノでもないです。先輩は、誰かのモノになるために生きているのではありませんからー」
先輩は――私と運命的に出会うために生きてきたんでーす。あはっ、なーんちゃってー!
それも、やっぱり言わない方がいいよね?
「っ、あんたねぇー……カッコつけてんじゃないわよっ!」
「ひぃっ!」
「キャー、郁ぅーっ!」
仁王立ちのお姉様が、私に手を振ってきたっ!
さすがにヤバい! ビンタされるぅっ!
とっさに目をつむった……が、
「…………あり?」
ビンタが来ない?
そうっと目を開けると――
「っ、え!?」
目の前に道着姿のスラッとした男の人が、仁王立ちのお姉様の手首を掴んで立ちはだかっていた。
この後ろ姿は、も、もしかしてっ――