テキストサイズ

勝手に運命感じてます

第2章 あれから半年



「……わかったよ。俺が付いててやればいいんだろ?」


 う……うそぉ……。


「ホントですかぁ? 助かります、先輩。じゃ、うちの郁をくれぐれもよろしくお願いしますね!
 じゃあね、郁! お大事に~!」

「凛ちゃんっ……行っちゃった……」


 嬉しいけど、露骨(ろこつ)すぎるよ~。


「……あの友達、中々の演技だな」


 ほら。先輩にも余裕で見抜かれてるしー。

 見抜いてるハズなのに……先輩はここから離れようとせずに、側にある丸椅子に座ると、お昼ご飯をゴソゴソと出し始めた。


「え……あの、先輩?」

「なんだよ」

「ランチタイム……屋上じゃなくてもいいんですか?」

「なんだ? 行ってほしいのか?」

「いやいや! 私はもちろんウェルカムですけど! ただ、『いかなくていいのかなぁー』って思って」

「……別に。食えるならどこでも」

「そ……ですか」


『どこでもいい』みたいに言ってますが……ホントは、屋上で食べるのが好きなの、わかってるんですよ?


「っ、ニヤニヤして見てんなっ! 病人は病人らしく寝てろっ!」

「うぷっ!」


 ムリヤリに押し倒され、布団をしっかりと掛けられた。


 もーう、先輩のいけずぅー。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ